伝説の大将軍 編
地上最強の戦いが行われていた時期
天宮の悪無覇域夢山で修行を積んでいた轟天頑駄無の夢に、輝く鳥が現れる。
その鳥は、轟天頑駄無にある言葉を唱えさせる。
三烈神…と
すると、彼の体に三つの鎧が装着されたのであった。
輝く鳥はさらに
「直ちに下山し、この力で八つの都市を復興するのだ。
 近い将来、黒く巨大な恐怖が来るであろう。
 その時こそ三人の若者にこの鎧を与えるのだ。
 彼らは新たなる力を受けるはずである。
 しかし全て鎧の力に頼ってはならん。
 使い方を誤れば、逆に災いを及ぼしかねん鎧なのだ。
 心して使うのだぞ…」
と告げるのだった。

一年後・・・

地上最強の戦いを終えた衛府弓銃壱は、弓と銃の他に拳法を習得し
新たな敵に備えて羅美安薔薇山で自己流拳法「剣勢拳」を編み出していた。
羅美安薔薇山までの道のりで
悪党に襲われていた落ちこぼれ忍者のうっかりざくれろと風車の百式をお供に迎えたり
剣士としての修行をしていた流星頑駄無と意気投合し、互いに技術を磨きあっていた。
弓銃壱と流星の組み手も百回目になり、これを最後に下山を考えていた。
だが、二人の勝負に手裏剣が投げ込まれる。
そこに現れたのは轟天の使いを名乗る月光。
彼の先導の元、弓銃壱らは轟天頑駄無の治める破悪民我夢の街へと向かう。
轟天の話によると、破悪民我夢上空に邪悪な気を放つ黒雲が現れ
日増しに降下してきているのだという。
轟天は弓銃壱、流星、月光に輝く鳥のお告げを話す。
すると、3人に鎧が装着されたのであった。
3つの鎧に付けられた名前により
弓壱は烈光頑駄無、流星は烈空頑駄無、月光は烈破頑駄無と名乗る事になり
悪無覇域夢山へ向かう使命を与えられる。
3人が旅立って程なくした頃、上空の黒雲を見上げる轟天の前に一筋の雷光が煌く。
雷光の落ちた場所には、真紅の鎧を纏った武者が現れる。
魔殺駆と名乗るその武者は、新生闇軍団の頭領と告げた。
はるか昔に存在した闇軍団との関わりを危惧する轟天に
魔殺駆は自分達に力を与えたあのお方が、黒雲から誕生すれば
この世は新生闇軍団の物になると豪語し、無数の部下をけしかける。
烈光達の前にも新生闇軍団は姿を現し、行く手を阻む。
金刃雷都の街で魔殺駆配下の
四魔忍軍炎魔忍軍の雷火と氷魔忍軍の氷破を相手に苦戦する3人は
百式の援護で反撃に転じるのだが
雷火と氷破が合体して紫電鬼に変身し、再び窮地に陥ってしまう。
烈光は天来変幻し、鎧を装着して勝利するも、鎧の力が強大で使い方を考えるように告げる。
紫電鬼を退けた一行は、立ち寄った茶屋で
ざくれろが毒入り団子で不調になったりしながらも不穏不峠まで辿り着く。
しかし峠で待ち構えていた四魔忍軍、妖魔忍軍の幻妖の襲撃を受ける。
幻妖の使う土蜘蛛地獄を、天来変幻で鎧を装着した烈破が必殺技で撃退するも
己の技が鎧によって予想以上に強化されていた事に畏怖するのであった。
山道で忍者養成所 の同期だった烈破と百式、ざくれろは
修行時代の話で盛り上がっている所に
忍者仙人と謳われる長老、殺駆雲斎が現れて激励したりなどの出来事はあったが
どうにか魔流連山まで歩を進めるのだった。
山頂には四魔忍軍、空魔忍軍の翔妃率いる爆撃部隊、紅陽炎の編隊が待ち構えていた。
翔妃と紅陽炎の空中殺法に苦戦するも、烈空の鎧に備わる飛行能力で反撃に転じる。
敵であっても女である翔妃に止めを刺したくない烈空は撤退を促すが
情け無用と襲い掛かる彼女にやむなく反撃をする。
翔妃が最期に告げた言葉のなかに不穏な名前が含まれていた。
「闇帝王」…
その存在を知った一行は、悪無覇域夢山へと急ぐ。
連戦の疲れを癒す為に魔流連山の麓の温泉宿で休息をしつつ、周辺の村まで進む。
そこで行方不明者を捜索して欲しいと頼まれ
舞鳥峠と千尋の谷に通じる道を二手に分かれて捜索を開始する。
烈破と烈空は千尋の谷へ、烈光と百式、ざくれろは舞鳥峠へと向かうのだが
炎魔忍軍の軍団長、漸羅が軍団を率いて待ち伏せていたのだ。
罠に嵌められた3人の周囲を炎魔忍軍と炎が取り囲む。
烈光は鎧の力で炎に耐性があるが、百式とざくれろは徐々に追い詰められてしまう。
そこへ突如突風が巻き起こり、周囲の炎が一掃された。
突風の主は烈光と地上最強の戦いで名を上げた友、全武装頑駄無であった。
彼は阿修羅頑駄無の祖国、赤流火穏で修行をし、風刃 頑駄無と改名していた。
その背後から現れたのは国王となった頑駄無阿修羅王
そして弟の仁王改め飛鳥頑駄無、忠臣の不知火改め翔破頑駄無の3人だった。
思わぬ助っ人に炎魔忍軍は撤退し窮地を脱する烈光は友との再会を喜んだ。
そんな中、焼け跡からざくれろは、光る矢を発見する。
烈破と烈空が千尋の谷に到着した時、落雷と共に1人の男が現れた。
その男とはGアームズ空戦部隊リーダー、ガンセイヴァーZであった。
落雷の衝撃で傷つき、記憶を失っていた彼の為に2人は轟天に鎧を転送してもらう。
武者頑星刃となったガンセイヴァーZは2人に同行し、龍鳴寺へと向かう。
寺には空魔忍軍の軍団長、羽流鋭と
妖魔忍軍の軍団長、刃流刃浪が軍団を率いて待ち伏せていた。
烈破と烈空は天来変幻で鎧を着て応戦、頑星刃は変形して戦闘機となり援護した。
だが新生闇軍団の数にものをいわせた戦いに圧倒され、烈破は背後を取られてしまう。
その窮地を救ったのは、地上最強の戦いの後
影舞乱夢の国の王となった白龍こと頑駄無白龍大帝と
その義兄弟、青龍こと蒼龍頑駄無と赤龍 こと紅龍頑駄無
そして雷刃頑駄無と改名した烈光の友、激闘頑駄無だった。
紅龍は金色に輝く弓を彼らに渡した。
光凰の弓と対になる昇龍の矢を手に入れ
「天高き山の頂上にある鳳凰の岩を射ぬけ」
という夢のお告げを白龍大帝は彼らに伝え、先を急がせる。
謎の矢を手に入れ、犀の河原に辿り着いた烈光達を
氷魔忍軍と軍団長の華紅羅が待ち構えていた。
華紅羅は闇帝王の力を借り、川を凍らせて烈光達を捕縛した。
天来変幻で鎧を装着した烈光の力でも氷は砕けない。
だが彼は光り輝く謎の矢を使い、氷を溶解して窮地を脱するのであった。
阿修羅王はこの場を自分達に任せて先に行けと促すが、
烈光は仲間を置いては行けないと躊躇する。
「自分の使命を全うしろ」
と諭されれ、百式やざくれろまで、自らが捨石になる覚悟を見せる。
仲間の後押しを受け、仲間の勝利を信じ、烈光は瞳を濡らしながら先に進むのだった。
山頂に着いた烈光は烈破と烈空、頑星刃と合流し、鳳凰の岩を探す。
「その岩なら、これだろ」
そう言って現れた男、頑駄無真駆参。
彼に烈光達はこれまでのいきさつを語るが、夢みたいな事だと一蹴される。
修行中、どんなに刀で斬りつけても傷すらつかない事を話す真駆参を一喝し
頑星刃は弓で矢を放った。
すると矢は岩に突き刺さり、瞬時に金色に輝く鳳凰へと姿を変える。

「我が名は結晶鳳凰、新たなる大将軍となる者は誰か?」

結晶鳳凰は5人に語りかけた。
夢でも見ているのか、と訝しむ真駆参が装備してた楯が
正義の証とされる銀の楯だと気づいた結晶鳳凰は真駆参と融合する。
まばゆい光と共に真駆参は大将軍へと姿を変える。
融合した結晶鳳凰は彼に、周囲に潜んでいる悪党を成敗せよと告げた。
姿を現した新生闇軍団は真駆参大将軍を抹殺すべく襲い掛かった。
烈光達も真駆参大将軍を守るべく戦う。
大将軍様は天下に平和をもたらす光の子
たとえこの命を捨ててでも、守り抜いて見せる
多勢に無勢な状況でも、烈光達は諦めなかった。
そんな彼らの姿に真駆参は
「自分を守る価値など無い!」
と、涙ながらに結晶鳳凰に語りかける。
仲間など持った事も無い自分に天宮の民を守る力は無い。
大将軍の強大な力は手にあまる。
己しか信じないで生きてきた真駆参は侘びともいえる言葉を叫ぶ。
その瞬間、結晶鳳凰はまばゆい光となり新生闇軍団を弾き飛ばすと
烈光達を包んで破悪民我夢へと飛ぶのだった。
その頃、破悪民我夢上空の黒雲がほどけ、中から巨大な異形の武者が現れた。
魔殺駆はそれを
「恐怖の大王、闇帝王」
と呼び、勝利を確信する。
轟天はこの戦いが天宮の興亡を左右するとと部下と己を鼓舞し
闇帝王に挑むが、左手の閃光による爆風で瓦礫の下敷きになってしまう。
その窮地に、神々しい光を放つ物体が闇帝王の行く手を塞ぐ。
闇帝王に一撃を放つ光は徐々に輝きを抑え、一人の武者の姿をさらす。
「聞け、この烈光頑駄無こそ新世代の大将軍、 その名も新世大将軍なり」
結晶鳳凰と烈光こと新世大将軍は、力強く名乗りを上げた。
だが、闇帝王も負けておらず、邪獣闇変化で姿をさらに異形にし、大将軍に襲い掛かる。
先ほどより動きが早くなった闇帝王は大将軍を巨大な鉤爪で掴むと、力任せに握り締める。
闇帝王は結晶鳳凰に
「永き戦いは闇の力の勝利だ」
と勝ち誇る。
全身を圧迫されて意識混濁の大将軍に結晶鳳凰は
「結晶と一体になり、正義の心と友との友情をこめて叫べ!神馬凰と!!」
と懇願する。
大将軍は薄れゆく意識の中、ジンバオウと呟いた。
すると鎧兜に付けられた心凰(兜飾り)、体凰(右肩鎧)
技凰(左肩鎧)が輝きを増し、大将軍は

鬼神の如くみなぎる力
天馬の如く駆ける脚
鳳凰の如く舞う翼

を兼ね揃えた究極の戦闘体型へと変化したのであった。
大将軍は神馬凰形態最大の技
太陽砲
を放ち、闇帝王を粉砕消滅させる。
しかし闇帝王は最期に不吉な言葉を残す…

「自分には生も死も無い
 魔殺駆には新たな”ぷろぐらむ”を指示している
 自分よりも巨大な、恐怖の大王が降り注ぎ、すべての頑駄無が滅亡する」

不吉な言葉を残したまま闇帝王は消え、天宮につかの間の平和が訪れた。
勝利を分かち合う仲間達の中に、頑星刃がいないのを不思議に思う烈空。
その頃、頑星刃は本来いるべき世界へと戻っていた。
あの戦いは夢だったのかと戸惑うが、自分の体に纏う鎧が、現実だった事を物語っていた。
異世界のサムライ達を思い出し
彼らの友情と勇気を忘れない事を誓うガンセイヴァーはGアームズ基地へと向かった。
闇帝王の言葉が事実なら、まだ悪の火種が消えたわけではない。
真の平和を手にするまで、頑駄無軍団は戦い続けるだろう…


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