風林火山 編
大将軍と闇皇帝が大爆発に消えてから15年の月日が流れた。
農丸に拾われた赤子は荒烈駆主と名付けられ、立派な武者として成長した。
そして彼は、自分の持つ輝くかけらである
アス(魔を断ち切る者)の玉以外の残りの光の玉を宿す者たちを探しに旅に出る。
そこで出会ったマキ(翼を宿す者)の玉を持った武者、風雷主と出会う。
彼は玉の力を駆使し、闇軍団の刺客、弾犬を退けるのだが
荒烈駆主に協力する気はないと答え、いずこかへ去って行った。
風雷主に仲間入りを拒まれた荒烈駆主は途方にくれていた。
そこへ漣飛威が襲撃してきたのだった。
前大戦後、闇軍団と頑駄無軍団は和解し、同盟を組んでいたが
漣飛威は忠義のためと言いながら荒烈駆主に刀を向けるのであった。
やむなく戦闘に入った荒烈駆主は光の玉の力で武人の鎧を装着し、彼を撃退した。
しかし、そこに漣飛威の姿は無かった。
旅立つ前に聞かされた父、農丸の言葉が頭をよぎる…

その頃、璽悪は二人の武者を相手に戦っていた。
新たな技を使い二人を攻撃するが、そのうちの一人
武者江須はマー(勇猛なる者)の光の玉の力を使い、危機を脱するのであった。
しかし、それでも璽悪は諦めず、残りの部下を呼び、八対二の対決になってしまう。
そこへ荒烈駆主も駆けつけ、八対三の戦いに発展する。
璽悪の部下である巨忍軍団相手に三人は果敢に立ち向かう。
父親に武者百士貴を持つ武者百士鬼改はビー(平和をもたらす者)の玉の力で璽悪たちを退ける。
戦闘が終わった後、荒烈駆主の話を聞いた二人は光の玉が大将軍の物だと知った。
この光の玉が五つ揃わないと現在の大将軍は本来の力を発揮できないのだという。
事の重大さを理解した二人は、荒烈駆主の仲間になったのであった。

仲間の増えた荒烈駆主の背後から現れたのは、二代目将頑駄無と漣飛威であった。
二代目将頑駄無は精太の出世した姿であり
麒麟の神器でパワーアップした愛馬との合体攻撃で漣飛威を追い詰める。
突然の挙兵について二代目将頑駄無は真意を問いただそうとする。
すると、漣飛威の口から、意外な言葉がかえってきた。
それは彼らの君主である殺駆頭の死であった…
殺駆頭が死んだのだと聞かされた一同は驚き戸惑う。
殺駆頭亡き後は、その息子である若殺駆頭が継いだらしい。
若殺駆頭の行いが間違いであり、自分たちと共に彼を討とうと説得する二代目将頑駄無。
かたくなに拒否する漣飛威の背中の鎧が妖しく発光したかと思うと
漣飛威はまるで何かに操られているような行動をはじめたのだった。
体から立ち昇る邪気から、若殺駆頭に操られていると考えた二代目将頑駄無だったが
漣飛威の不意打ちで負傷した体ではどうにもならなかった。
そこで荒烈駆主、江須、百士鬼改は戦いを挑む。
しかし、漣飛威に乗り移った若殺駆頭は凄まじい邪気を放ち、彼らの動きを封じる。
邪気によって身動きの取れない彼らを救ったのは
かつて存在した風林火山四天王の鎧のうち
風を司る鎧に選ばれた仁宇とその弟子、風雷主だった。
二人は風の力を使った技、神風大竜巻で若殺駆頭の乗り移った漣飛威を撃退する。
仁宇は頑駄無城の護衛に着くと言い
時隠の国に弟子の風雷主と共に向かえと荒烈駆主たちに告げる。
風雷主は師匠の言いつけだから仕方ないと言いながら、彼らの旅に加わった。
時隠の国にさしかかった頃、四人は再び璽悪と遭遇する。
璽悪は巨忍軍団を使って、彼らの城である天地城を攻略しようとしていた。
璽悪に付き従う砕虎魔亜屈の名前に違和感を持つ荒烈駆主だったが
それを確かめる間もなく、戦闘が開始された。

同時刻、若殺駆頭は天地城の奇襲におよんでいた。
巧妙な作戦に、窮地に陥った仁宇にトドメを刺すべく刀を突きつける若殺駆頭。
そこへ、野生のカンでタイミングよく現れたのは、林の鎧に選ばれた摩亜屈だった。
続けて二代目将頑駄無も現れて、形勢は逆転したかに見えたのだが
若殺駆頭は勝算ありと不敵に笑う。
そこへ、火の鎧に選ばれた駄舞留精太が砲撃を加える。
あいも変わらずな敵味方関係無しの砲撃に二代目将頑駄無は愚痴をこぼす。
そんなことはお構い無しに、駄舞留精太は天地城を時隠の国へ向けて起動させると叫ぶ。
天地城は何と移動要塞だったのだ。
だが、それを見てたじろぐどころか、歓喜の声を若殺駆頭は上げるのであった。
「五つの闇と五つの光が出会う時が来たのだ。来るがよい!!呪われた時隠の国へ!」
彼はまるで天地城を案内するかのように、そう叫びながら駆け出すのだった。

天地城が時隠の国へ進軍を開始した頃、璽悪と荒烈駆主たちは死闘を演じていた。
一進一退の攻防の中、彼らの前に天地城が姿を現した。
だが、そこで荒烈駆主に隙が生まれ、背後から砕虎魔亜屈の攻撃か振り下ろた…
しかし、その攻撃を受け止めたのは、山の鎧に選ばれた斎胡であった。
彼は砕虎魔亜屈を弟と呼び、仲間を攻撃するならこの兄を殺せ!と絶叫する。
兄弟の血で血をぬぐう争いが始まろうとしていたその刹那
砕虎魔亜屈の体が光に包まれ、体を覆う黒い鎧が外れた。
鎧の外れた彼の体には、ジュ(巨大なる者)の光の玉が輝いていた。
その光に連動するように、残りの四人の玉も光り輝く。
その光は天地城の天守閣に照射され
中に身構える出世した武者こと三代目大将軍の兜についた頑駄無水晶に力を与える。
光に照らされた砕虎魔亜屈は元の砕虎摩亜屈に戻り、兄たちと共に戦うことを涙ながらに誓った。
光の玉が輝きを増した頃、闇軍団でも異変が起こっていた。
若殺駆頭の師匠である武者忍 剣舞風荒の両手の手甲が何かに共鳴するように舞い上がり
続いて漣飛威、璽悪の黒い鎧が飛翔した。
更に、地面からは殺駆頭が出現したのであった。
死んだと聞かされていた二代目将頑駄無は驚愕する。
「蘇るのだ、わが父よ!闇将軍よ!!」
若殺駆頭の呼びかけに答えるように、彼の胸飾りが雄たけびを上げて殺駆頭に取り付く。
他の鎧も同様に取り付き、殺駆頭は異形の姿に変貌した。
殺駆頭の屍は若殺駆頭に操られ、闇将軍として蘇ったのであった。
闇将軍として復活した殺駆頭を迎え撃つべく、三代目大将軍は戦場に飛来する。
三代目大将軍は必死に殺駆頭に呼びかけるが、闇に支配された彼からの反応は無い。
副将軍に出世した農丸は殺駆頭と若殺駆頭から発せられる異様な気配を感じ取り攻撃を加える。
副将軍の攻撃で気絶した若殺駆頭から、頑駄無軍団には因縁深い相手の姿が浮かび上がった。
それは15年前、先代大将軍とともに大爆発をした闇皇帝・・・
しかしそれは生きているのではなく、邪悪な魂なのだという。
副将軍は荒烈駆主をみつめ、言った。
「お前の力を見せる時が来た」と…
三代目大将軍は砕虎摩亜屈の持っていた閃光剣を手に取ると
彼の怪力でも抜けなかった剣を抜き、天にかざす。
剣は激しく発光し、刀身を倍化させる。
長く延びた刀身での攻撃は、闇将軍の前立てを粉砕する。
それによって自壊した闇のかけらは殺駆頭を開放した。
三代目大将軍は闇皇帝はこの宇宙に満ちた邪悪そのものであり
倒せるのは荒烈駆主だけだと告げる。
自分に命を預けてくれと、彼に閃光剣を渡す。
荒烈駆主もそれを理解し、うなずく。
三代目大将軍は風林火山とその弟子たちに八紘の陣を組むように命令する。
闇皇帝の魂の前に八人は円陣を組む。
超鳳凰となった三代目大将軍は荒烈駆主を乗せて飛翔した。
そして閃光剣を握り締めたまま、荒烈駆主は八紘の陣に飛び込んでいったのであった…

荒烈駆主が意識を取り戻すと、そこには見知らぬ平原が広がっていた。
荒烈駆主は一体どうなってしまうのか…


天下統一 編 へつづく…

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