天下統一 編
見知らぬ土地で荒烈駆主は持っていたはずの閃光剣が無い事に気がついた。
そこへ何者かが現れる。
抜刀した荒烈駆主は斬りつけるが、彼らからはいたずらだったと詫びられた。
現れた武者たちは鳳凰と雷と名乗った。
荒烈駆主は彼らに、ここは戦場になるから立ち去れと言われる。
その瞬間、雷の背中に背負われた荷物が発光する。
荷物は木筒を突き破り、荒烈駆主の体に装着された。
それは地の鎧と呼ばれ、鳳凰たちはその鎧に荒烈駆主が選ばれたという事実に驚いていた。
それからしばらくして、戦いを知らせるほら貝が鳴り響く。
望遠鏡で状況を確認した雷は加勢しようと言うが
兄の鳳凰は新荒烈駆主となった彼に、共に戦おうと提案する。
新荒烈駆主は武器の無い事や、彼らも武装してない事を怪訝するが
天・雷・地の掛け声を発すると、彼ら三人は瞬時に天帝、雷帝、地帝の神器を装着していた。
その力を試せと鳳凰に言われた新荒烈駆主は迫り来る飛駆塞虫や
敵と思われる武者たちに向かっていった。
戦場に躍り出た鳳凰は、苦戦する殺駆一族の男に加勢する。
神器を就けた三人の力は凄まじく、特に鳳凰と雷の技は新荒烈駆主を驚かせる。
だが、飛駆塞虫の一体が雷を踏み潰そうと迫っていた。
そこへ何者かの弓が放たれ、飛駆塞虫の脚を砕く。
弓矢の飛来した場所には、異国の鎧に身を固めた頑駄無がいた。
彼は武神と名乗り、鳳凰たちに協力すると申し出る。
陣地に帰った鳳凰たちに血相を変えて迎え出たのは百ノ進。
彼の読み上げる光の巻の予言は新荒烈駆主にとって衝撃的なものだった。
闇が太陽を包む時、天・地・雷の鎧に秘めた力が1つとなり
天を纏う者は偉大なる力を手に入れる。
その名は大将軍…
ここで、荒烈駆主は自分は過去に飛ばされてきたのだという事を確信する。
そして、予言通りに日食が始まった。
大将軍になる覚悟を固めた鳳凰に、新荒烈駆主はこれから起こる事を伝えなければならなかった。
それは、大将軍の死で幕を下ろすという事…
だが鳳凰は、負けるとわかっていても戦う男の意地と覚悟を彼に語る。
そして、鳳凰は大将軍に転身したのであった。
決意を固めた大将軍は、殺駆の軍勢と共に暗黒軍団の本拠地へ乗り込む。
姿を現した暗黒軍団の長、黒魔神は圧倒的な力を見せ、大将軍たちに襲い掛かった。
この攻撃で殺駆は黒魔神に取り押さえられてしまう。
自分にかまわず戦えと雷に叫ぶが、彼には出来なかった。
だが次の瞬間、3つの神器の刀が発光を始める。
3つの光を集めた攻撃は黒魔神に止めを刺し、歴史は塗り替えられた。
それから数日後、百ノ進は予言にしたがって
時空転移を可能にする璽威武装を作り、荒烈駆主を未来に送り帰した。
これで世界に平和が訪れた…
かに見えたが、光の巻の予言にはまだ続きがあったのだ。
それによると闇の再来有り、天下人の危機を救い
真なる力を与える者は四獣王なり と書かれていた。
幼少時に残る記憶に、四匹の獣に力を授かった、伝説の武人の事があった。
その記憶を頼りに大将軍と雷は千尋の谷へ向かう。
途中、何者かの襲撃で谷底に突き落とされた二人は、必死になりながら崖を上った。
登りきったところで二人を待っていたのは、伝説の武人の一人、獅頑駄無。
彼は谷底から上ってくることを試練だと言い
それに耐えた彼らに瞬発の銃を授け、龍鳴寺に向かえと告げる。
指示された龍鳴寺に着いた二人を待ち伏せしていた狩刃電威有破たち暗黒軍団。
だが、寺の住職と思われる老人が割って入る。
実はその老人が伝説の武人の一人、龍頑駄無だった。
彼から渡された神秘の槍を持った二人は、今度は犀の河原に向かうように指示される。
龍頑駄無の言葉に従って二人は犀の河原に着く。
すると、川の水が引いていき、目の前に青白い光が現れた。
その光から閃光が放たれ、二人の背後に着弾する。
そこにはなんと、地面に隠れて二人を狙っていた暗黒軍団の刺客たちがいたのだ。
光は大将軍と雷をかばうように躍り出ると、その姿をあらわにした。
それは伝説の武人の一人、犀頑駄無だった。
彼は暗黒軍団の砲撃をものともせず、玉砕撃という必殺技で撃退するのだった。
犀頑駄無は、闇の再来を打ち砕くために、と言って二人に豪力の盾と呼び子笛を手渡す。
呼び子笛を舞鳥峠で吹き、音が木霊する場所を探すように彼は指示する。
大将軍と雷が四獣王を求めて旅している頃、もとの時代に戻った荒烈駆主は
辺りの異様なまでの静けさにいぶかしんでいた。
しばらく回りを見渡すと、荒れ果てた天地城があり、その周辺に彼は一人の人物を発見する。
彼の名は影荒烈駆主と言い、荒烈駆主を待っていたのだという。
影荒烈駆主に連れられてきた場所に立っている墓石は
荒烈駆主を驚愕させるには十分すぎる代物であった。
それは、三代目大将軍の墓…
影荒烈駆主によると、闇皇帝に敗れた頑駄無軍団は全滅し
生き残った彼一人が、この天地城を守っているのだという。
荒烈駆主は過去で行ってきた事を思い出す。
黒魔神を倒したことによって歴代大将軍が生きていなければおかしいはずだと…
黒魔神は死んでいなかったのか!?
歴史を変えることは不可能なのか!?
落胆する彼に影荒烈駆主は、三代目大将軍から預かっている密書を手渡す。
それには、このように記されていた。
【荒烈駆主よ。もし私が闇皇帝との戦いに敗れた時には、これから記す事を行うのだ。
闇皇帝を倒すために残された道はただひとつ。
再び時を越えること。
そして、四つの結晶を集め、闇皇帝に挑むのだ…】
まるで謎かけのような内容に困惑する荒烈駆主だったが
突如、三代目大将軍の墓石が激しく発光を始め、まばゆい光が彼を照らす。
その翌朝、新たなパワーを得て、璽威武装は再び時を越える旅に出るのであった。
荒烈駆主が歴史を変えるために再び動き出した頃、大将軍と雷は舞鳥峠に到着する。
そこで彼らは傷ついた隼を助けた。
隼はお礼に、呼び子笛を吹く場所まで案内をするのだった。
隼の指示に従い、到着した場所で笛を吹くと、笛の音は辺りに木霊する。
その直後、二人の前に巨大な鳥が現れた。
それこそが最後の伝説の武人、隼頑駄無だった。
彼は飛翔の剣を二人に手渡し、悪無覇域夢山の頂上で
四つの神器を身につけた者の額を邪滅の矢で射抜けと指示するが
二人には、その山と矢の場所がわからない。
すると隼頑駄無は、「点と点を結べば線になる。線と線が交わる所。そこにある」
という謎かけのような言葉を残して去って行った。
旅を終え、久しぶりに陣地に戻った二人の耳に
暗黒軍団の残党が終結していると言う噂が飛び込んできた。
作戦を練るために大将軍は地図を見つめる。
そこで彼は、隼頑駄無の言葉の謎を解き明かす事となった。
四獣王たちと出会った場所を線で結んだ先に、ある山があった。
その山が悪無覇域夢山だと確信した大将軍は殺駆の軍勢と共に目的地を目指す。
だが、悪無覇域夢山を目の前にして
彼らの行く手をさえぎるように一筋の雷が落ち、そこから倒したはずの黒魔神の側近
龍将と飛将が姿を見せた。
何と二人は新たな力を宿していた。
龍飛変幻と叫んだ龍将と飛将は互いに融合し、龍将飛将という大型武者に生まれ変わる。
大将軍と雷が龍将飛将を受け持ち、殺駆は武神と百ノ進と共に暗黒軍団を相手に戦う。
だが、龍将飛将の力にはおよばず、強烈な一撃を愛馬もろとも受け窮地に陥る大将軍と雷。
愛馬の死を目の当たりにした大将軍は激怒し、雷に四獣王より授かった神器を用意させた。
すると、神器は彼の怒りに呼応するかのように発光し、瞬く間に大将軍に装着されていった。
神器によってパワーアップした大将軍は威厳に満ち溢れた神々しい輝きを纏っており
雷は戦場である事すら忘れて見入ってしまう。
そこへ、無防備な雷めがけて暗黒軍団の放った弓矢が襲い掛かる。
だが、その矢は彼をかばって躍り出た殺駆の右目を射抜いたのであった。
自分の失敗で深手を負った殺駆に、涙ながらに詫びる雷。
彼は、まだ死んではいないから大丈夫だと告げ、刺さった弓矢が変化しているのを指差す。
それは光り輝いており、邪滅の矢に間違いないだろうと言い
狼狽する雷にそれを持って悪無覇域夢山に向かえと弱々しいながらも力強く伝える。
だが、彼らの前に地面より、倒したはずの黒魔神が姿を表した。
しかも、それは黒魔神ではなく未来から来た闇皇帝と融合した超邪悪生命体
黒魔神闇皇帝へと生まれ変わっていた。
以前にも増して強敵となった相手に大将軍たちはたじろぐが、そこへ四獣王が加勢に現れる。
彼らは大将軍と雷を山頂に向かわせるべく、黒魔神闇皇帝と龍将飛将に立ち向かう。
どうにか山頂にたどり着いた二人は、隼頑駄無の指示通りに大将軍の額に矢を放つ。
だが、万が一の事が頭をよぎる雷にはためらいがあった。
しかし、覚悟を決めた大将軍は、その時は息子の雷凰を頼むと告げると、雷をせかした。
意を決した彼は、神頼みをしながら兄である大将軍の額めがけて矢を放った。
矢は兜飾りの結晶を貫く・・・
その頃、四獣王たちは一向に倒れない黒魔神闇皇帝たちに押され気味であった。
技を放っても効き目のない相手に、次第に劣勢を強いられる彼らの前に一筋の光が現れた。
その光は、黒魔神闇皇帝と同等の大きさに変化した大将軍であった。
邪滅の矢の力を受けた彼は黒魔神闇皇帝を殴り飛ばす。
だが、その攻撃を受けても不敵に笑う黒魔神闇皇帝は
自分の闇の力と大将軍の光の力は同等であり、未来から来た自分と融合した事により
闇の力は光の力を上回ったと言い放った。
そして間髪入れずに黒魔神闇皇帝は光に敗れた闇の怨念を呼び出し、大将軍の力を封じる。
闇の怨念によって身動きの出来ない大将軍は死ぬ事も生きる事も出来ず
1000年の間、苦しみ続けるのだという…
黒魔神闇皇帝は勝利を確信し、龍将飛将に頑駄無たちを一人ずつ血祭りにあげよと命じる。
誰もが絶望を感じ始めた時、その場に3つの光が現れた。
それは、四代目大将軍に出世した荒烈駆主と
闇皇帝と共に爆発四散した二代目大将軍
武者頑駄無から出世した三代目大将軍であった。
荒烈駆主は璽威武装を使って、彼らをこの地に導いたのである。
三人は鳳凰形態に化身し、大将軍の証である結晶から
光の力を闇に捕らわれた大将軍に照射した。
そして3つの光の力で闇の呪縛から脱出した大将軍も鳳凰形態に変化し
黒魔神闇皇帝を討ち倒すのだった。

意識を取り戻した四代目大将軍こと荒烈駆主の目に映る光景は光り輝いており
育ての親である副将軍、息子の若殺駆頭と共に
彼にねぎらいの言葉をかける若かりし時は殺駆であった殺駆頭。
歴史は変わったのだ…
鳳凰から出世した初代大将軍。
そして彼の息子、雷凰こと二代目大将軍。
さらに三代目大将軍の姿が目に飛び込んできた。
初代大将軍が黒魔神闇皇帝に勝利した事によって、全ての歴史が塗り替えられた。
争いのない平和な時代が訪れたのである。
今では初代大将軍のもと、二代目、三代目、殺駆頭らは手を取り合い
それぞれの国を平和に統治している。
そして、四代目もまた、これから与えられる国を平和に治めていくであろう…
こうして、武者七人衆編・風林火山編・天下統一編と続いた光と闇の戦いは幕を閉じるのであった。


新章 地上最強 編

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