地上最強 編
ここ影舞乱夢の国では、国内に不穏な陰りが見え始めていた。
古書の一説には、こう記されている。

「西の空に赤き十字星輝く時、天下の乱れる凶兆なり。
 だが案ずるな。三つの和魂を1つにすれば、
 正義の志に反応し、その光は闇と共に災いを消し去るであろう…」

かつてこの国を治めていた龍帝の子孫であり
和魂を持つ正義の武人、白龍頑駄無は
砂成の街を脅かしている黄虎賊に戦いを挑んでいた。
黄虎賊は黄虎璽を首領とし
配下の鎌厄、毒激、地悪、幻殺、土鬼、鬼たちと略奪のかぎりを尽くしている。
白龍頑駄無は砂成の街に襲撃してきた黄虎賊相手に
一人勇猛に戦うが、幹部である鎌厄、毒激の登場で窮地に陥ってしまう。
毒激の毒針を受けた彼は力を振り絞り毒激を倒すが
鎌厄を倒せるほどの力は残っていなかった。
仲間の仇とばかりに迫り来る鎌厄は
龍帝に仕えていた龍牙一族の唯一の生き残りである
青龍頑駄無の加勢によって倒された。
彼は白龍頑駄無が龍帝の子孫とわかると
自分が加わっている反黄虎賊グループの
義勇軍を統括する義兄弟である赤龍頑駄無に会わせる。
白龍頑駄無を快く受け入れた義勇軍は、来たる黄虎賊との決戦準備を整えていた。
そこへ、臥龍頑駄無と名乗る旅の商人が現れた。
彼は三頭の龍馬を義勇軍に献上するために現れたのだという。
かくして、商人より託された龍馬に乗った白龍、青龍、赤龍たちは
義勇軍を指揮しながら黄虎賊の本陣を目指すのであった。
途中、地悪たちの襲撃にあうが、どうにかこれを退けた。
退却する地悪を先行して追いかける三人の前に黄虎璽や残りの黄虎賊が立ちはだかる。
猛々しく名乗りを上げる黄虎璽は一斉に彼らに襲い掛かった。
だが、運良く義勇軍も戦場に到着し、大規模な騎馬戦に持ち込まれるのかと思いきや
黄虎璽は義勇軍には目もくれず、白龍たち三人を必殺技で追い詰める。
激しい攻撃になすすべなく追い詰められる三人をかばうように龍馬は合体したのであった。
龍馬は天龍馬となって彼らをその背に乗せた。
その変化にも動じず、再び襲い掛かる黄虎璽に
三人の力を結集した技である「翔破天誅弾」が炸裂する。
その攻撃で爆炎が上がり、黄虎璽は炎の中で絶命した。
しかし、死の間際に彼は、自分はある人物に操られており、異国でも同じような事を起こしている。
といった謎の言葉を残していた。
そして間もなく天龍馬は三人を乗せ、突如現れた虹を目指して飛び立っていく。
彼らを岬から見届けるのは、威厳漂う鎧に身を包んだ臥龍頑駄無であった…
 ・
 ・
 ・
場所は変わり
かつて正義と邪悪の武者たちが激闘を繰り広げた伝説の国、天宮。
ある日、赤い十字星が輝くと共に巨大な竜巻が襲来し、天宮の国は壊滅状態に陥った。
この国の不論帝悪村に住む衛府弓銃壱は国内で様々な事件が起こるようになったため
幼馴染の激闘頑駄無、全武装頑駄無と共に村を守るために立ち上がる。
そこへ助けを求める鉱夫が現れた。
彼の話によれば、掘り出した金を里武守村へ運ぶ途中に
爆火炉忍亜山の峠で猛者一族に襲われたのだという。
急いで現地に向かった三人の前には、ならず者集団の猛者一族が金塊を前にはしゃいでいた。
若武者である三人を嘲る頭領の猛者飛銀は腹心の猛者射鋭、部下の猛者電殴たちをけしかける。
狭い峠道での混戦の最中、突如現れた九尾犬に、掘り出した金塊を奪われてしまう。
彼は金塊を掴み取ると、それを和魂と呼び、大蛇飛駆塞虫の物だと主張して去って行った。
和魂が大蛇飛駆塞虫の手に渡ると自分の野望が達成できないと悔しがる猛者飛銀は
峠の一本道を土砂で埋めて衛府弓銃壱たちを足止めし、九尾犬の後を追っていった。
行く手を塞がれた3人に、先ほど助けた鉱夫集団の巨砲と重銃が協力を買って出た。
そのおかげで、道を塞ぐ土砂や岩盤は取り除かれ、先に進むことが出来た。
大蛇飛駆塞虫の本拠地に着いた三人を威嚇する巨大な影、そして九尾犬。
戦闘に突入した衛府弓銃壱、激闘頑駄無、全武装頑駄無は鎧の力を解放し
強化形態となって九尾犬を倒すが、部下を倒された大蛇飛駆塞虫は
その8本ある頭から火炎放射や雷撃、冷気などの凄まじい攻撃を仕掛けてくる。
負傷した猛者飛銀たちと共に岩陰に身を隠す衛府弓銃壱たちは
手も足も出ない状態に追い込まれてしまった。
そこへ、聞き覚えのある声が3人に語りかけてきた。

「恐れる事はない。三つの心を一つにし、銃を合体させ、結界弾を撃つのです!!」

その声を信じることにした衛府弓銃壱は
激闘頑駄無、全武装頑駄無たちと武具を共有し
最強形態へと変化させ、大蛇飛駆塞虫に挑みかかった。
すると、彼らの持っていた光乱散破天、光砲が合体し、1つの立派な大砲に変形したのだった。
大砲を三人がかりで構え、迫り来る大蛇飛駆塞虫めがけて、必殺の一撃を放つ。
激しい閃光と共に大蛇飛駆塞虫は消滅した。
それを確認するように、背後から謎の声の主が現れた。
それは、威厳漂う鎧を纏ってはいるが、三人に救助を求めて現れた鉱夫、新慈絵丸であった。
彼は洞窟の壁に和魂をはめ、隠し通路を出現させると、三人に重大な任務を伝えた。
それは和魂を持って洞窟の先を目指し、その先で世の災いを打ち消せ、というものであった。
衛府弓銃壱たちはこの世を正すために選ばれた者だったのだ。
「信じましょう、あなたの言葉!!」
衛府弓銃壱たちは和魂を受け取ると、使命に突き動かされるように洞窟の先へと進んでいった。
 ・
 ・
 ・
また場所は変わり
赤流火穏と呼ばれる平和な国に赤い十字星が輝いた翌日
武里守勉城の君主、鍾馗頑駄無が行方知れずとなった…
息子の阿修羅頑駄無と仁王頑駄無は
父の側近である不知火頑駄無と共に真相究明に乗り出していた。
そこで彼らは、一つの矢文を入手する。
それには、「北西に向かえ」と、ただ一言だけ記されていた。
矢文に従い、三人は北西を目指す。
すると、背後より何者かの集団につけられていることに気がついた。
三人は合図と共に駆け出し、不意打ちをかわす。
何と、不意打ちをしてきた集団は鍾馗頑駄無の配下の兵士たちであった。
理由を問いただす阿修羅頑駄無に集団を指揮する邪兵影鋭は
この国を支配するのは地獄牙兄弟だと叫び、配下の電殴撃たちをけしかけ
自らも阿修羅頑駄無に刃を向けた。
だが力およばず、邪兵影鋭たちは沈黙させられていった。
その頃、武里守勉城を乗っ取った地獄牙羅刹と弟の地獄牙夜叉は
自分たちがこの国を治めると名乗りを上げていた。
地獄牙兄弟の反乱は阿修羅頑駄無たちの耳にも届き
不知火頑駄無は阻止すべきと訴える。
しかし彼は矢文の内容が気になると言い、北西の街、都臨屯へと向かった。
追っ手を振り切ったり、撒きながら、どうにかたどり着いた都臨屯で
阿修羅頑駄無は、鍾馗頑駄無の生家へ向かう。
室内には、彼ら以外の人物が陣取っていた。
その者は龍・牙髄と名乗り、矢文の主で鍾馗頑駄無の使いだと説明する。
阿修羅頑駄無に和魂を渡すように命じられていると告げ
彼の持っている神威の槍に装備するように促す。
早速、阿修羅頑駄無は槍に装着してみた。
すると和魂は激しく発光しはじめたのだった。
その後、三人は鍾馗頑駄無に仕えていた璽武狙撃兵と
璽武戦闘兵の大集団と合流し、武里守勉城奪還作戦を開始する。
三方取り囲みの陣と呼ばれる陣形で衛兵などを蹴散らした三人たちは
地獄牙兄弟を追い詰めるが、地獄牙羅刹は
手に握られた金属玉を彼らに見せびらかし
あの方の力によってこの中に鍾馗頑駄無を封じていると絶叫する。
手出しの出来ない阿修羅頑駄無たちに
容赦なく地獄牙兄弟の連携奥義、鬼神闇縛の舞が放たれる。
窮地に陥った三人は和魂と龍・牙髄に授けられた法力によって
三位一体モードに変化し、業火猛襲弾で反撃に移る。
三位一体モードでの攻撃は、瞬時に地獄牙兄弟を炎の渦で飲み込んだ。
炎に包まれながら地獄牙兄弟は自分たちの負けを認めるが
「黒守暴穏島のあの方が赤流火穏もおろか、異国も全て支配する!!」
と言い残して絶命する。
地獄牙兄弟の呪縛から解き放たれた鍾馗頑駄無だったが
自分の使いを名乗った龍・牙髄なる人物に心当たりはないという。
阿修羅頑駄無は地獄牙兄弟の散り際の捨て台詞や
龍・牙髄から授かった和魂を思い出し
これは神が自分たちに神託しているのではないかと考えていた。
その事を父に告げると、阿修羅頑駄無の持っていた和魂が激しく発光し
三人の持っていた「神火・飛鳥・翔破」の3つの盾が合体し、船のような大きな盾へと変幻した。
それを海へ浮かべ、三人は盾に乗り込んだ。
すると、盾は彼らを導くかのように前進を始めた。
それを上空より見守りながら、これから起こることへの成功を祈るのは
威厳漂う鎧を纏った龍・牙髄であった…
 ・
 ・
 ・
黒守暴穏島に着いた影舞乱夢の白龍頑駄無、天宮の衛府弓銃壱
赤流火穏の阿修羅頑駄無たち九名は、運命に導かれたかのように合流を果たす。
島の中心には、奇妙な像が二つあり、そのうちの黒い像の前に
闇の三人衆と名乗る闇殺斬火射、闇剣振風暴、闇砕崩が待ち構えていた。
さらに自分たちは彼らが和魂を集めたように
争魂を集めるよう闇大帝に命じられていたと仰々しく語る。
それに呼応するように、黒い像は変形を始め
闇の三人衆が崇める闇の化身、闇大帝頑駄無が姿を現した。
呆然とする九人に、残りの白い像から和魂を額にかざせと語りかけられる。
更に、彼らの前に、光の三人衆を名乗る、懐かしい顔ぶれが姿を見せる。
それは白龍頑駄無たちに三頭の龍馬を授けた臥龍頑駄無
衛府弓銃壱たちを導いた新慈絵丸
阿修羅頑駄無たちに和魂と法力を授けた龍・牙髄だった。
彼らは口をそろえて、大光帝の額に和魂をかざすように命令する。
和魂を握り締めた白龍頑駄無、衛府弓銃壱、阿修羅頑駄無の三人は
気持ちを1つにして、大光帝の額にはめ込んだ。
すると、まばゆい光と共に封印状態だった光の化身、頑駄無大光帝が目覚めた。
頑駄無大光帝は光の力を解放し、
合体竜馬の天龍馬、衛府弓銃壱たちの武器が合体した最強破壊砲
阿修羅頑駄無たちの盾が合体した光輝の盾を装着し、闇大帝頑駄無に決戦を挑む。
相手の闇大帝頑駄無も黒い合体龍馬、怒超鬼悪にまたがり迎え撃つ。
光と闇の戦いは激烈を極め、光と闇の化身同士の対決や
それに従う三人衆の武者を越えた戦いが繰り広げられる。
頑駄無大光帝は自らの姿を輝く鳳凰、光帝鳳へと変え、この決着に終止符を打とうとする。
かたや闇大帝頑駄無も黒き鳳凰、闇帝鳳と変化し、これを迎え撃つ。
激しい空中戦の中、光帝鳳は闇帝鳳を鉤爪で捕まえると、太陽めがけて急上昇を始めた。
頑駄無大光帝は自らの命と引き換えに闇大帝頑駄無、すなわち闇を消滅させるつもりだったのだ。
彼の覚悟を理解した闇大帝頑駄無は絶叫しながらもがくが
頑駄無大光帝の力に圧倒され、とうとう光と闇の化身は激しい閃光と共に消滅した。
閃光が収まった上空からは、天龍馬、最強破壊砲、光輝の盾が三国の武者頑駄無の元に戻る。
その後、黒守暴穏島を中心に影舞乱夢、天宮、赤流火穏の国へ向けての道が現れた。
これからは、三つの国もこの道によって国交が深まるに違いない・・・

そう、これからが彼らにとって、新たな世界を切り開いてゆく旅立ちの始まりなのである…
三国の選ばれし武者たちは再会を誓い、祖国を目指して旅路に着くのだった。


次章 伝説の大将軍 編

武者頑駄無 ストーリー TOP          武者頑駄無 TOP          MADNESS TOP